10-MVPサイクル:アイデアからデプロイまでの道のりを自動化する

ボイラープレートを書くのは、もう終わりにしましょう。Claude、Linear、Vercelを組み合わせ、PRD(製品仕様書)からアプリのデプロイまでを自動化するワークフローを見つけました。10個のスタートアップを同時に立ち上げるための、具体的な手法をシェアします。

10-MVPサイクル:アイデアからデプロイまでの道のりを自動化する
Feng LiuFeng Liu
2026年1月10日

ソフトウェア開発の世界で、静かなる革命が起きています。それは新しいJavaScriptフレームワークの話ではありません。誰が――あるいは「何」が――重労働を担うのかという、役割のシフトについてです。

こんなシナリオを想像してみてください。あなたはフライトの待ち時間にアイデアを思いつきます。着陸する頃には、スマホのメモ書きだけでなく、データベース、認証機能、フロントエンドを備えたMVP(実用最小限の製品)がデプロイされ、URLでアクセス可能になっているのです。コードは一行も書いていません。ただフローを管理しただけです。

これはSFの話ではありません。これこそが人々が「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」と呼び始めているものであり、スタートアップの経済学を根本から変えようとしています。

多くの創業者は、まだ古いループに囚われています:アイデア -> 採用/コーディング -> デバッグ -> デプロイ。これでは遅すぎます。新しいループはこうです:コンテキスト(文脈) -> AIエージェント -> 検証

私はここ数週間、開発の「面倒な中間工程」を自動化するスタックの改良に費やしてきました。これにより、10個の潜在的なMVPを並行して走らせることが可能になりました。ここでは、その具体的なセットアップ、ワークフロー、そしてこの手法が通用しなくなる限界点について、正直にお話しします。

"Vibe" スタック

これを機能させるには、互いに連携できるツールが必要です。複雑なエンタープライズ向けのソリューションは求めていません。必要なのはスピードと統合です。これが私のツールキットです:

  1. フレームワーク: create-t3-turbo(Turborepo上に構築されたモノレポ構成。フロントエンドとバックエンドを一箇所で扱えます。Next.js、tRPC、Tailwind、Prismaが含まれており、MVPに最適です)。
  2. 頭脳: Claude Code(リードエンジニアとして振る舞うCLIツール)。
  3. プロジェクト管理: Linear(信頼できる唯一の情報源)。
  4. トラッキング: GitHub Issues(Linearと同期)。
  5. インフラ: Vercel(ホスティング) + Neon(サーバーレスPostgres)。

VercelとNeonにはどちらも太っ腹な無料枠があるため、実験にかかるコストは実質ゼロです。

セットアップフェーズ

コードを一行書く前に、マシンの配線を行う必要があります。具体的な手順は以下の通りです:

1. プロジェクトの初期化

まず、新しい create-t3-turbo プロジェクトを作成します。これにより、すべてが設定済みの本番環境対応モノレポ構造が手に入ります:

npx create-turbo@latest -e https://github.com/t3-oss/create-t3-turbo

このコマンドは、フロントエンド用のNext.js、型安全なAPI用のtRPC、データベース管理用のPrisma、スタイリング用のTailwind CSSを含む完全なスタックを、Turborepoのモノレポ構造で足場(スカフォールド)として作成します。

2. Claude Codeのインストール

次に、AI開発アシスタントであるClaude Codeをインストールします。code.claude.com のインストールガイドに従ってください。インストールが完了したら、プロジェクトディレクトリから起動できます:

claude

3. GitHub Actions連携のセットアップ

Claude Code CLI内で、以下のコマンドを実行してGitHub Actions連携をインストールします:

/install-github-app

このコマンドは、Claudeがプルリクエストを作成し、CI/CDワークフローを実行し、リポジトリと対話できるようにするGitHub Actionsボットをセットアップします。この統合により、Claudeは単に提案するだけでなく、自動化されたワークフローを通じてコード変更を実行できるようになります。詳細なセットアップ手順については、GitHub Actionsの公式ドキュメントを参照してください。

4. LinearとGitHubの接続

LinearをGitHubに接続して双方向の課題同期(Issue Syncing)を行うと、魔法が起きます。手順は以下の通りです:

  1. LinearのGitHub統合ページにアクセスします。
  2. 「Add Integration」をクリックし、LinearにGitHubアカウントへのアクセスを許可します。
  3. 同期したいリポジトリを選択します。
  4. 同期設定を構成します:
    • 双方向同期(Bidirectional sync): GitHubで作成されたIssueは自動的にLinearに表示され、その逆も同様です。
    • ステータスマッピング: Linearのワークフロー状態(Todo, In Progress, Done)をGitHubのIssue状態にマッピングします。
    • 優先度の同期: 両方のプラットフォーム間で優先度レベルを同期させます。
    • 自動リンク: Issue IDを使用して、ブランチやPRをLinearのIssueに自動的にリンクします。

設定が完了すると、GitHubでIssueが作成された瞬間にLinearにも表示されます。Linearで優先度やステータスを更新すると、その変更はGitHubにも反映されます。これにより、どちらのプラットフォームからでもタスクを管理できる統一されたワークフローが生まれます。

5. インフラのデプロイ

最後に、Neonデータベースを使用してVercelにデプロイします:

  • GitHubリポジトリをVercelに接続します。
  • NeonサーバーレスPostgresデータベースをプロビジョニングします(無料枠が利用可能)。
  • データベース接続文字列をVercelの環境変数に追加します。

デプロイが完了すれば、あなたの思考からライブURLへと続く継続的インテグレーション(CI)パイプラインの完成です。mainブランチへのマージはすべて、自動的に本番環境へデプロイされます。

自動化されたワークフロー

ここから、従来のプロダクトマネージャー(PM)の役割が薄れ始めます。

1. コンテキスト・セッション

アイデアがあるなら、IDEを開かないでください。チャットウィンドウを開きましょう。ChatGPTやClaudeに話しかけ、生の思考を書き出します。AIに反論させてください。このセッションの最後に、Markdown形式で**PRD(製品要件定義書)**を生成するよう依頼します。

返ってくるものは、大抵の中堅PMが作成するものよりも優れています。詳細で、構造化されており、プロフェッショナルです。

インサイト: 私は、専門職としての「プロダクトマネージャー」という役割が、AIによって最初にディスラプト(破壊)されると考えています。私たちは、ビジョンを担う「プロダクトデザイナー」や「フルスタッククリエイター」と、仕様を処理するAIという世界に向かっています。

2. ハンドオフ(引き継ぎ)

そのMarkdown形式のPRDをローカルの Claude Code に渡します。これが、AIが要件を実行可能な作業項目に変換する重要なステップです。

Claude Code CLI内で、PRDを解析しGitHub Issuesを生成するように指示します。Claude Codeは裏側で GitHub CLI (gh) を使用してリポジトリと対話します。ここで何が起きるかというと:

  1. 解析: ClaudeがPRDを分析し、個別の実行可能なタスクに分解します。
  2. Issue作成: 各タスクに対して、Claudeは次のようなコマンドを実行します:
    gh issue create --title "Implement user authentication" \
      --body "Details from PRD..." \
      --label "feature" \
      --assignee "@me"
    
  3. メタデータの割り当て: ClaudeはPRDに記述された複雑さに基づいて、ラベル(feature, bug, enhancement)、優先度、さらには見積もりまで自動的に割り当てます。
  4. 依存関係のマッピング: GitHub Actions連携が設定されていれば、ClaudeはIssueの依存関係やマイルストーンも作成できます。

gh CLIを使うことの素晴らしさは、それがプログラム可能であることです。Claudeは数秒で数十のIssueを一括作成でき、それぞれにMarkdownの説明、受け入れ基準、技術的なメモが適切にフォーマットされています。

突然、あなたのLinearボードが点灯します。先ほど設定したLinearとGitHubの同期のおかげで、10〜20枚のチケットが自動的に入力され、適切なタイトル、詳細な説明、優先度、ステータスが表示されます。PMが手動で作成すれば数時間かかるバックログ全体が、1分足らずで生成されるのです。

3. 実行

さあ、あなたはエンジニアリングマネージャーとして振る舞います。チケットで @claude をタグ付けし、作業を開始させます。ClaudeはGitHub Actions内でコードを書き、プルリクエストを作成し、レビューを待ちます。

あなたはマージします。

VercelのCI/CDが作動します。数分後、変更が本番環境に反映されます。

これの素晴らしい点は、スマホでもできるということです。タクシーの中やカフェからPR(プルリクエスト)をレビューし、ボードを管理できます。ありきたりなReactのボイラープレートを書いているのではありません。あなたは高速建設チームを指揮しているのです。

「ラストワンマイル」問題

ここで読むのをやめてしまうと、AIがすべてを解決したと思ってしまうかもしれません。そうではありません。

「Vibe Coding」は強力ですが、その限界についても正直である必要があります。AIは「汚れ仕事」や「無味乾燥な作業」には驚くほど長けています。データベーススキーマの構築、ログインフォームの作成、APIルートの設定などは、どの人間よりも速くこなせます。

AI Coding is not perfect

しかし、プロダクトの「魂」を理解するのは苦手です。

家を建てることに例えてみましょう。AIは骨組みを作るチームです。コンクリートを流し込み、柱を立て、壁を貼る作業は記録的な速さでやってのけます。しかし、彼らはひどいインテリアデザイナーです。その角にある照明スイッチの感触が悪いことや、キッチンの動線が悪くて人がぶつかってしまうことには気づきません。

ソフトウェアにおいて、これが「ラストワンマイル」です。ユーザーを喜ばせるインタラクション、繊細なUIアニメーション、ビジネスロジックのエッジケース――こここそが、人間のビルダーであるあなたが介入すべき場所です。

もしプロダクトの完成を100% AIに頼れば、技術的には動くものの、感情的には空っぽなソフトウェアが出来上がるでしょう。優れたプロダクトと一般的なプロダクトを分ける「クラフトマンシップ(職人芸)」が欠けてしまうのです。

実践的なテイクアウェイ

今日からこれを試してみたいなら、私からのアドバイスは以下の通りです:

  • PRDから始める: AIに決して「とりあえずコードを書いて」と頼まないでください。コードの質はPRDの質に依存します。コードの構文ではなく、要件テキストの推敲にエネルギーを注いでください。
  • 信ぜよ、されど検証せよ: AIコーディングエージェントは、存在しない依存関係をでっち上げたり(ハルシネーション)、安全でないロジックを書いたりすることがあります。差分(diff)を読んでください。AIを「優秀だが経験の浅いジュニア開発者」として扱ってください。
  • 数をこなす: このスピードを利用して、より多くのアイデアをテストしてください。1ヶ月ではなく週末だけでMVPを構築できれば、プロダクトマーケットフィット(PMF)を見つける確率は指数関数的に上がります。

構築への障壁はなくなりました。残るは、あなたのセンスと粘り強さだけです。

Parallel Processing Pathways

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shenjian8628@gmail.com

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